ケニアの首都ナイロビは、大自然に隣接する大都市として、現地に住む人びとにも観光客にも、気軽に自然や文化を堪能できるサービスをたくさんオファーしている。今回ご紹介するのは、自然をダイナミックに散策できる「乗馬」をトータルプロデュースする『MALO STABLES』。森を駆け抜けて平原へ、山々が連なるマサイ族の居住地域へ。“地球の裂け目”といわれるアフリカ大地溝帯の谷と湖を馬の高さとスピードで眺められるなんて、最高のトレッキングにちがいない。馬場では初心者でも楽しめるコースや、ジャンプなどの競技レッスンも行っている。

➊乗馬を親しみやすく紹介している。
MALO STABLESが位置するのは、20世紀初頭のケニアを舞台にした映画『愛と哀しみの果て』の原作者、カレン・ブリクセンが居住していた街・カレン。ランチ込みのパッケージでは、オーナーのアンニャ・デュトワさんが自身で競り落としたというアンティーク食器を使い、ゲストを映画の世界に入り込んだ感覚にさせてくれる。

❷オーナーのアンニャさん。
デンマーク出身のアンニャさんは、投資を厭わない豪快な方だ。11年前、夫の仕事の関係でケニアへ移住。国際機関で働いた後、育児時間を大切にしながら自然と調和した生活を実現するために土地を借りることを決心する。本国から馬3頭を空輸し、現在はなんと40頭弱の競技馬を所有するほどまでになった。「馬への愛情と情熱を抑えられなかったんです」。一人の女性の熱い想いが、ケニアのサファリ観光に新しい風を吹かせている。

❸馬で周囲を散策した後、朝食を摂るコースもある。

❹敷地内には馬場も。
乗馬の後にピクニックサイトで軽い食事ができるプランや、日没のサファリを堪能できるプランも。
詳細はこちらまで: www.malostables.com
photographs by Mia Collis & Michiko Zentoh(➊❷❹)
text by Michiko Zentoh
ソトコト 2016年4月号 掲載記事より