The Month’s Special
南アフリカ
2015.07.09
廃棄物を食べたハエが飼料に? 常識を覆す南アフリカのリサイクル。

野菜くずや残飯などの生ごみを微生物の力で分解し堆肥に変える「コンポスト」はよく知られているが、ハエを利用し食品廃棄物から飼料を作るリサイクルを聞いたことがあるだろうか。

南アフリカに拠点を置くアグリプロテイン・テクノロジーズは、特殊な方法で飼育したハエを介して、廃棄処分となる食品を家畜の飼料に変える技術を開発。2013年には、国連アフリカ経済委員会とアフリカ・イノベーション基金が優れた革新的発明に対して送る「イノベーション・プライズ・フォー・アフリカ」を、世界45か国900以上にも及ぶ応募者の中から勝ち取った。

アイデアは、廃棄処分となる食品に含まれる血液や内臓の中でハエの卵を孵化させ、ある程度成長したハエの幼虫を回収し乾燥させたあと、フレーク上に形成して家畜用飼料にするというもの。乾燥させたハエの幼虫は、一般に飼料として使われる魚粉と同じ成分を持っており、高タンパクでアミノ酸の種類も多く、様々な家畜の飼料に適している。また、1キロのハエの卵は72時間以内に380キロの幼虫へと変わり、大規模な工場であれば、1日あたり28.5トンの飼料を生産することができる。

2050年までに世界人口は70億から90億に増加し、肉や魚を食べる中産階級が増えることから、魚の養殖や家畜の飼育に必要なタンパク質の供給源を探すことが必須だ。従来飼料とされてきた大豆と魚粉の値段が2倍以上に上がっている今、廃棄物を餌としてリサイクル利用しつつ、安価で良質なタンパク質を含むハエの飼料が注目されている。環境汚染と食料問題という、人類が直面している問題の一解決策として、アグリプロテイン・テクノロジーズがアフリカで展開しているリサイクル事業が挙げられる日はそう遠くないかもしれない。

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家の裏庭でもハエを使った飼料リサイクルができるよう、小型リサイクルキットを140ドルで売り出している。

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革新的な発明として名誉ある「イノベーション・プライズ・フォー・アフリカ」を受賞。